雀荘の中で店長に言って待たせてもらうこと30分。
部長は「おみやげ」と焼き鳥を包みを持たせてくれて、さっそくの出発。タクシーで揺られること数十分。とあるベットタウンにあるごく普通のマンション前へと車は止まった。
「人形君は今日は打たなくていいよ。今日は顔見せね」
「はい。わかりました」
そう言ってマンションの入り口に立つと、なにやらカチカチと部長はボタンを押し始める。オートロックなのだという。
マンション住まいの方には別段珍しくもなんともないらしいのだが、一軒家にずーっと住んでいた私にはその『オートロックシステム』なるものが、非常に珍しく、面白く思ったものだった。
また『選んだ人しか入らせない』という雰囲気が、イメージしていたマンション麻雀とあいまって非常に緊張する。
「うん。うん。俺だよ。よろしく」
インターホンでちょこちょこと部長は話をし、自動ドアが開く。
私のイメージでは入る前に『合言葉』なるものを言い合って――などというものを想像していたのだが、誰が来たのかは玄関前の監視カメラとインターホンで丸分かりなので、あっさりと扉は開く。
「いらっしゃいませ」
柔和な顔をした初老の男性が迎えてくれる。その後ろに控えているのは奥さんだろう。お世辞にも美人とは言えないが、豪快さと気さくさが合わさった味わい深いご婦人だ。
「まーまー。男前がきたよっ」
私のスーツを受け取り、手にしていた焼き鳥を皿に盛ってあげるといって持って行ってしまう。
私は最初のイメージとは全然違うアットホームな雰囲気に、しょうしょう拍子抜けしてしまった。
ごく普通のマンションの客間に、でんと控える麻雀卓。よくよく考えればシュールな光景である。
そこには酒を飲んで顔を真っ赤にした、部長と同じ年齢ほどの中年男性が二人。すでに待っていた。
「遅いじゃんよ」
「なに? その子」
「ああ。得意先の社員でね。人形君だ」
「おお。麻雀強いの?」
「いえ、全然弱いですから」
「お前等とは今日は打たせないよ。顔見せね」
やいのやいのと軽口を叩き合い、男たちはさっそく――と思ったがその前に腹ごしらえだそうだ。
ここではなんでもタダとのことで、親子丼を作ってもらうことにする。部長も寿司を注文して摘んでいる。私は焼き鳥をおかずに親子丼をパクつき、部長の後ろで見学させてもらうことにした。
レートは1000点500円。ウマは一万、三万。赤は5に各種一枚ずつ。チップはなし。
はなっからトンでもないレートを目の当たりにすることになるのだが、当の本人たちはあっけらかんとしたものである。どうもこのくらいのレートではこの面子には「遊び金」らしい。まったく恐ろしいものだ。
囲む面子は先に来ていたお客さん二人に部長。そしてこのマンション麻雀の店長さんの四人だ。なぜかおばちゃんは私の横でイロイロと世話を焼いてくれる。
「んじゃまぁ始めよっか」
部長のそんな呑気な掛け声で、いよいよマンション麻雀はスタートした。
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ランキング!!テーマ:麻雀 - ジャンル:ギャンブル
- 2006/03/06(月) 21:42:15|
- 日記
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| コメント:1
(こちらでは)お久しぶりです。
打つのは同じルール、麻雀でも、面子やレートでこうも緊張が違うのかって時ありますよね?
あらゆる局面で揺れないように打つように努めていても、こうレートが一転すると揺れちゃうよね(笑)
続き、早く読みたく思います。(ので、当然ランキングにもクリック(笑))
雀ネットの方も頑張って下さい。
- 2006/03/07(火) 22:12:50 |
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- 霜月 #-
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